神経過敏社会(1)


村の男の子がひとりで独楽で遊んでいます。


何年も前からずっと考えてきたことです。
それでいて、未だに結論らしき答えが出ません。どうなるかは分かりませんが、とりあえず書き進めていきます。

すでに公開した「日本人の品格」の記事と同様に見切り発車です。なんらかの結着をつけることができるといいのですが。

SNS社会の功罪

「SNS社会の功罪」という小見出しをつけましたが、内容は「罪」の部分だけに絞ってあります。SNSの利便性は今さら言うまでもありませんので。

SNS上での個人への悪意ある誹謗中傷が後を絶ちません。

(1)2020年5月、女子プロレスラーの木村 花さんが自ら命を絶ちました。SNSへの書き込みが主因だったようです。

(2)2015年7月、オリンピックのエンブレム盗作疑惑。
デザイナーの佐野研二郎氏の作品が、ベルギー人のデザイナー、オリビエ・ドビ氏から盗作したものだとして、使用差し止めの訴訟が提起されました。

結局、佐野氏の作品は没になりました。余談になりますが、思えばこの時から東京オリンピックにはケチがついてしまったのかもしれませんね。
コロナ禍で延期、来年の開催も不透明です。

世間の一部の卑劣漢から、佐野氏を徹底的に痛めつけるメールや電話が、これでもかこれでもかと、佐野氏本人ばかりでなく家族にまで連日、押し寄せたのです。(佐野さんの「盗作」問題で同氏を擁護するつもりではありません)

(3)2015年4月、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、当時TBSの記者だった山口敬之氏から性的暴行を受けたとされる事件。伊藤さんは警視庁に被害届を出しました。

性犯罪の被害者はどうしても周囲に打ち明けるのをためらいがちです。伊藤さんは記者会見で名前と顔をテレビの前に出して、この事件を公にしました。

その直後から、伊藤さんに対して、世間の一部の卑怯な連中から、凄まじいまでの攻撃がSNS上を跋扈(ばっこ)しました。

(4)2015年2月、神奈川県川崎市の多摩川河川敷で、当時中学一年生だった上村遼太君が、3人の少年に殺害された事件。

SNS上では3人の犯人探しが始まりました。犯人と思しき家の写真までSNSに流れたのです。(3人の犯人をかばうつもりではありません)

社会的に大きく取り上げられた事件のうちでも上記はほんの数例です。このほかにも例えば、十代の学生がSNSへの書き込みを苦にして自殺したという事件は枚挙にいとまがありません。

まともな社会とは決して言えない。責任の所在を特定することが困難なインターネット社会では、猫も杓子も自分勝手の言いたい放題をSNSにタレ流しています。節度もへったくれもない。病的な偏執狂としか言いようがない。偏執狂的神経過敏症候群。

身体的に相手を痛めつけることばかりが暴力ではありません。度を越した悪意ある言葉もまた、時には肉体的暴力以上の暴力に違いないのです。

では、次回以降の記事も、お手すきのときにでも通読していただけたらと思います。よろしくお願い申し上げ候。

*このシリーズは日本語表記のみとします。








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