人の暮らし(3)(People's Days) (3)

 



上の3枚の写真は、マクタン島にある「マクタン・ニュータウン」の風景の一部です。

「ようこそ、セブ島へ」でもご紹介したとおり、マクタン島はセブ島に近接する小島で、2本の橋が両島をつないでいます。

セブ州を構成する島々には、セブ島・マクタン島・カモテス諸島・オランゴ環礁などがあります。州都のセブ市から車で3,40分も走れば、もうそこはマクタン島です。

マクタン島はマクタン・セブ国際空港をはじめ、一大リゾート施設や「経済特別区」(MEPZ---Mactan Export Processing Zone) を有し、小島とはいえフィリピン全島のなかで占める経済的な役割は今後も増大していくことでしょう。

「マクタン・ニュータウン」はマクタン島で最高級のコンドミニアム(マンション)です。生活に必要なすべての施設が完備され、「ニュータウン」という名のとおり、最新の巨大生活圏といってもいいでしょう。

フィリピンでは新築のコンドミニアムは建設中に売り出しが開始されるのが常です。デベロッパーの資金調達のためです。需要家の多くは完成前の低価格でいち早く物件を買い求めるのだそうです。

完成後は価格が急騰するので、転売して利ザヤを稼ぐための、まあ、よくある投資目的ですね。資金力のある大手のデベロッパーならまず安心ですが、中小の建設会社などの場合は十分に気をつける必要があります。建設途中で資金が続かずに倒産してしまうことも現にあり得ますから。

フィリピンでは外国人は土地を所有することができません。コンドミニアムは外国人でも自分名義で購入することができます。



朝散歩をしていると、見知らぬ人から挨拶を受けることが少なくありません。

「おはようございます」声のする方に目を向けると、50代くらいのおばさんが親しげにほほえんでいる。日本語の抑揚に、ほとんどクセがない。

「おはようございます。日本語、話すんですね?」

「はい、日本に住んでいました」

「上手ですね、日本語」

「はい、主人が日本人でした。今は息子二人と暮らしています。上の子はもう28歳です。これからどこに行くんですか?」

「ただ、ぶらぶらと散歩です」

「気をつけて行ってください。私の家はすぐこの近くです。今度、遊びに来てくださいね。日本の話がしたいです」と言って、何度もなんどもお辞儀を繰り返した。お辞儀の仕方も日本流だ。

When I stroll around towns and cities in the morning, some locals speak to me at times, "Good morning." 

One day, a woman, maybe in her fifties, spoke to me, "Ohayou gozaimasu," which pronunciation seemed like a Japanese.

"Ohayou gozaimasu. " I replied, turning my face to her. "You speak Japanese, don't you?"

"Yes, I lived in Japan with my Japanese husband.  I live around here together with my two sons.  The older son is 28 years old.  Happy now with them.  Just come and see me, anytime, to have a talk about Japan.  Where to?"

"Walking and strolling around early in the morning."

"Okay, take care and I'll see you around.  Come and see me and my two sons."  She bowed and bowed, just like a Japanese.

"Salamat kaayo, and thank you.  Okay, I'll see you around."

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下記はトッポジージョさんのURLです。今日まで生きてきた生活の軌跡を、少年時代から記しています。その時代時代の空気を感じとることができます。一読をお薦めします。





コメント

  1. 理路庵先生ブログ更新ありがとうございます。
    いまさらながら貧富の格差に驚きました。あんなトタン葺きの小屋では台風が来たら怖いですね。それでも野良犬が可愛らしく写っていて何故かしら長閑な感じがします。
    日本語で話しかけてくるご婦人は、一目で先生を日本人だと分かったのですね。
    見ず知らずの人に声をかけて家にまで招こうとするには理由があると思います。
    それは先生が現地の人達にどのように見られているのかということに尽きると思うのです。フィリピーナは警戒心が少ないという訳ではないでしょうから。

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  2. 理路庵先生、転居先での生活も順調の様ですね。

     人の暮らし⑵⑶楽しく見させていただきました。コロナが原因で日本も大して変わりませんが貧富の差は相当なものですね。
     村での生活風景のイメージが強すぎるせいか「マクタン・ニュータウン」の風景は衝撃的でした。都市部は首都マニラに集中していると思っていましたし、セブ島はバリ島のような自然を活かしたビーチリゾートだと思っていたのでまるでハワイみたいな高層マンションは想像していませんでした。

     貧困の格差と言えば、4/6のNHKで「生理の貧困」と言う番組があり何のことか思って見ましたが、コロナで解雇された女性やバイトがなくなった女学生が
    お金に困り生理用品が買えないで非常に困っているとのことで大変ショッキングな話題でした。今、世界中で問題提起をされているようです。
     日本ではNPO法人が生活困窮しているシングルマザーや大学生に食料品を配布しているようで、それに合わせて生理用品配布も行っているとの事でしたがフィリピンの事情はどうなんでしょうかね。

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