新・人の暮らし(3)・憩いの場
スイス人経営のレストラン「ENGELBERG」の外観。ENGELBERGという店名は、言わずと知れたスイスの代表的な山岳リゾートの地名からきています。
写真には写っていませんが、右隣にはドイツ人が経営するパン屋があります。
マクタン島のラプラプ市・バサックに「Collinwood」という快適な住宅地があります。
この地に住む人びとは、外国人はもちろんフィリピン人も、相応の富裕層に属しています。経済的に余裕のある客を当てこんでいるのか、Collinwood 界隈には、外国人経営の店が何軒も目につきます。
この地に住む人びとは、外国人はもちろんフィリピン人も、相応の富裕層に属しています。経済的に余裕のある客を当てこんでいるのか、Collinwood 界隈には、外国人経営の店が何軒も目につきます。
ENGELBERG の前の道は、Collinwood に通じる専用道路です。Collinwood の住人は、したがって、外出時にも帰宅時にも、ENGELBERG の前を通ることになります。
「ああ、喉が渇いた。冷たいビールでも、グビグビグビ~と」
「ちょっと、小腹が空いたな。軽く食べていくか。コーヒーとサンドイッチでも」
ってな感じで、ついつい、フラフラと立ち寄る常連さんもいるでしょうね。
「ちょっと、小腹が空いたな。軽く食べていくか。コーヒーとサンドイッチでも」
ってな感じで、ついつい、フラフラと立ち寄る常連さんもいるでしょうね。
Collinwood に住む日本人の友人に連れられて私も何回か覗いてみました。静かでなごやかで居心地の良い雰囲気は喧噪とは無縁の空間です。
今は午後の2時半を少し過ぎたころ。昼どきの賑わいが落ち着いて、小休止といったところでしょうか。
その友人の話によれば、ENGELBERG の顧客数は平均的に安定していて、客層の多くは北欧系で、日本人・韓国人・中国人などのアジア系は少数にとどまっているようです。
オーナーは71,2歳だそうです。奥さんはフィリピーナで、たぶん、40代半ばくらいでしょう。物腰のやわらかい、華のあるウェイトレスが4,5人います。
客層や店のたたずまいからして、ちょっと敷居が高い印象を受けるかもしれませんが、飲み物・料理ともに、当地に暮らす外国人にとっては、まあ手頃な値段です。
Collinwood の専用道路から本通りを横切ると、そこにもイタリア人やオーストラリア人など外国人経営の店が何店もあります。
下の写真の左隅に見えるのがオーストラリア人経営の「DINER」という飲食店です。
この店にも上記の日本人の友人といっしょに何回か行ったことがあります。
オーナーは40代半ばくらいで、奥さんは30代後半くらいのフィリピーナ。ここはウェイトレスではなく、ウェイターがふたりくらいいて接客にあたっています。
ENGELBERG と同様に、客の多くは北欧系で、あとは少数の日本人などアジア系という顔ぶれだそうです。ENGELBERG と DINER を日替わりで行き来しているなじみ客も一定数いるようです。
近頃は毎週月曜日に当地在住の日本人が集まって呑み会を開催しています。
写真だけでもお察しいただけると思いますが、ENGELBERG よりは DINER の方が庶民的な店構えで、集客率も好調のようです。ここもまた、外国人には納得の値段です。
両店の味が特にいいというわけではないのですが、異国の地で同胞と飲み食いしながら、よもやま話に興じる時間は、日々の生活の大きな楽しみなのかもしれません。
セブ島を終焉の地と思い立った人たちには、各人各様の思いがあり、そして、各人が各様に、いつものように今日を生き、いつものように明日を生きていくのでしょう。
祖国を離れて異国に暮らす意味合いとは、なんでしょうか。
生きる国を変えても、ふるさとで共に過ごした人びととの時間を忘れ去ることができないように、新たな異国で、今を共に過ごしている人びと、そして、これから共に過ごしていく人びととの時間こそが、異国に暮らす意味合いを成していくということなのでしょう。
このブログを書いているころに、ENGELBERG が売りに出ているという噂を耳にしました。店をたたんで、オーナーは奥さんを連れてスイスに帰るのでしょうか。
帰る人もいる、そしてまた、新たに来る人もいる。
ENGELBERG も DINER も外国人からすれば、そこそこの料金ですが、地元のフィリピン人からみれば、やはり、高嶺の花であることに変わりはありません。
経済格差のある国々では、30歳40歳の年齢差結婚などは、よくある話です。
フィリピンでも生活のうるおいを求めるフィリピーナが家族のために、自分の父親よりもはるかに年長の外国人をパートナーに持つ例が、そこかしこに見られます。
日本人などアジア人ばかりでなく、欧米の外国人もまた、孫のような年少のフィリピーナを連れていることが、自然の風景の一部のように目に写ることがあります。
2023年4月12日・記
セブ島のビーチリゾートいえばマクタン島と聞いていますが、空港もあり大資本のリゾートホテル等が整備された一大リゾート地と想っていましたが、この様な憩いの場もあるんですね。
返信削除おっしゃる通り
「セブ島を終焉の地と思い立った人たちには、各人各様の思いがあり、そして、各人が各様に、いつものように今日を生き、いつものように明日を生きていくのでしょう。」
「新たな異国で、今を共に過ごしている人びと、そして、これから共に過ごしていく人びととの時間こそが、異国に暮らす意味合いを成していくということなのでしょう。」この言葉に全てが集約されるのだと思います。
【フィリピンでも生活のうるおいを求めるフィリピーナが家族のために、自分の父親よりもはるかに年長の外国人をパートナーに持つ例が、そこかしこに見られます。】
状況
匿名 さま
返信削除コメントをありがとうございます。
マクタン島は、記憶がたしかなら、日本の練馬区の面積とだいたい同じくらいの広さらしいです。
ちっぽけな島ですが、経済特区やら名だたるリゾートやらで、多くの観光客を惹きつけています。アメリカ人をはじめ北欧系の金持ちが住む豪勢な住まいも、あちこちにあると聞いています。
日本のコロナの規制もやっと解除されるようですね。
世界中の観光客が押し寄せるのも、もうすぐでしょう。